茜ちゃんは意外と面白い子で、雑談をしているうちに入学式が始まった。 体育館の照明で頭がキラキラと光る先生が開会を宣言する。 ……そこからはあまり記憶がない。 あたしは退屈な入学式を、夢の中で過ごした。 茜ちゃんにたたき起こされて、退場。 あの式をきちんと座っていられるなんて、さすが茜ちゃん……。 「あぁいう長い話、慣れてるから」 「なんで?あたしもうだめ。一応努力したんだよ……」 「なんでかは秘密」 茜ちゃんが悪戯っぽく笑う。 面白い子だけど、謎が多い……。