~愛子SIDE~

「愛子!早くしないと学校遅れるんだってば!!」

「ちぃちゃんちょっと待ってよ!!あ、せめて踏まれないとこにおいていこ!」


私、野々村愛子(ののむらあいこ)。15歳。
性格は、少し内気であんまり積極的じゃないほう・・・。

そしてこの子は、神崎千尋ちゃん。愛称ちぃちゃん。

勝手に私が呼んでるだけなんだけどね・・・。


私は小さいころから、ぬいぐるみとかが好きでよく集めてる。
ソーイングセットもいつも持ち歩いてて、今も直してあげたかったぬいぐるみがあったんだけど、朝で時間がないから、道の隅においてきた。


「愛子ってほんとにぬいぐるみ好きだよね・・・。」

「可愛いじゃん!私、将来ぬいぐるみに関われる仕事に就きたいな!!」

「全く・・・。もっと現実的に考えなよ。私なんて公務員だから。」

「ちぃちゃんはリアルすぎだよ!!」

「ばっか!!もうリアルに考えないといけない時期に来てるんだよ?」


そう私はもう受験生。

だから、真剣に考えてるのに、ちぃちゃんにとっては不真面目みたい・・。


「よっ!おはよ。愛子と神崎。」

「あ、亮ちゃん!おはよ。」 「おはよ。松本。」


この人は、松本亮二。私の幼馴染。

フレンドリーで誰とでも仲良く出来る人。

しかも、キライな人がいないんだって!!


「亮ちゃん。亮ちゃんは将来何になりたい?」

「俺?俺は、みんなを助けるヒーローに・・」

「亮ちゃん!」

「あっと。。。薬剤師か獣医かな・・・。」


しっかり・・してるのかな・・・?


少なくとも私よりはしっかりしてるよね・・・。


「なに落ち込んでんだ?」

「うぅん。私、将来の夢がしっかりしてないらしいから。」

「夢。何?」

「え?」

「だから、夢。」


私は亮ちゃんに夢を話した。