4LOVE!

<パンッ!>

教室に乾いた音が響き渡った。

私がそいつをたたいたのだ。


「あんたねぇ?そんなこと言って怒らないとでも思ってるの?悠斗くんは怒りを抑えてるの。あんたみたいに子どもっぽく怒りを散らしたりしないから。」

「は?女だからってふざけんなよ?」

「えぇ、ふざけてないわ。それより。ふざけてるのはあんたじゃないの?それじゃ悠斗くんが正論ね。」

「あ?」


いまにも殴りかかってきそうな勢い。

でも全く怖くなかった。
むしろ気持ちよかった。


「だから、あんたは間違ってるっていってんの。わかる?私これでもあんたよりは年上だし、学習してるから。」

「てめぇ・・・。」

「あのさ、頭ごなしに怒鳴ったりするのやめなよ。クラスの人もきっと怖くて逆らえないだけ。樹くん。悠斗君の心友だよね。こっそり助けてるの知ってるよ。」

「は?」

「多分、あなたがいじめられたら、誰も助けてくれないでしょうね。悠斗くんは怒りを人にぶつけたりしないから、きっとキミよりはすかれてるはず。」


私は止めをさした。


「もうちょっと勉強しなさい。お子ちゃまくん。」


そして教室を出ようとしたとき、つかまれた。


「てめぇ、野々村愛子だよな?」

「そうだけど?」

「知ってるぜ。いじめられてたんだってな。」

「それが?」

「は?恥だろ。」


全く・・・。


「私は、恥だなんて思ってないわ。それより、キミの今の行動のほうが恥じよ。」