教室に入ると、知らない子ばかりだった。


(とりあえず、後ろの席の子には挨拶しといた方がいいよね)


「わ、私、櫻井美紅。よろしくね」


しまった、声が裏返った。


「私、佐藤優希。よろしく」


その子はにこっと笑った。


ショートヘアがよく似合っていて、


どこか気の強そうな雰囲気だった。


「あ、私平田奏。よろしくね」


優希の隣にいた子だ。


背が高く、ふんわりロングヘアー。


お姉さん、という雰囲気だった。


「よろしくね」


(良かった…なんとかやっていけそう)