「カナ、早く朝御飯食べちゃいなさい。今日は早く出るんでしょ?」
「うんー」
軽く流しながらゆっくりと箸を口元へ運ぶ
早く家を出なきゃいけないことは重々理解しているけど、
やっぱり朝御飯くらいはゆっくり食べたい
「サキちゃんに、誕生日プレゼント渡すんでしょ?」
「…急いで食べます。」
そう。
今日は私の親友
サキの誕生日
小学校の頃から、ずーっと仲良くて
大好きな友達
そんなサキの記念すべき誕生日に
遅刻なんてしちゃいけない
「じゃあ、行ってきます!」
身支度を荒く済ませ、玄関を飛び出す
家のほうから
いってらっしゃーい!
と叫ぶお母さんの声が聞こえた
私はいつもサキと待ち合わせしている交差点に走る
交差点の角にある公園の前で待ち合わせ
「っ、はぁ、はあ…」
息が切れる
公園につき、時計を確認する
まだ待ち合わせより20分も早い
ちょっと早く着きすぎたかな
でも、大切な友達の誕生日に遅刻するより全然いい
いつも、私が遅れてサキを待たせてばっかりだから
こういう日こそちゃんとしなければ
私は公園のフェンスに寄りかかり、目の前の大きな交差点を走る車たちを眺めていた
まず、プレゼントを怪しくないように背後に隠し持つ
サキはいつも反対側の歩道から横断歩道を渡ってこの待ち合わせ場所までくる
きっと私を見つけた瞬間
ものすごく驚いた顔をして小走りで私のところへやってくる
そしてサキのことだ
「カナ!!!今日早い!どうしたの!!?」
って、叫ぶ
そして私がプレゼントをサキに渡す
そしてサキはまた驚いて、叫んで、抱きついてきたりするんだろう
想像しながら笑ってしまう
早く、来ないかな

