ー黒陽ー


「いいですか?やってみても!」


「…好きにすればいい」


ハァ と
呆れたようなため息をつく

「ただし、俺は責任は取らないからな」


「わかっています!」


リオさんをゆっくり地面に下ろす



「それでも私は、力になりたいのです。最期の人間の、最後の願いを叶えるために」


「…」


また、チラリと私を見上げる


「…だったら、早く仕事を見付けないとな」


「ええ!明日も明後日も、張り切って本部へ向かいますとも!」


おーっ と拳を高く空にあげる


リオさんは、またもや深いため息をついた


リオさんを振り回してばかりで申し訳ないが

私の信念は
曲げたくない








「…前の俺と、同じだ」



風がまた、ふわりと舞い上がり
猫の鈴がチリンと小さく音を立てた