ー黒陽ー



「アリスちゃんが、泣いてるから」



優しく私に微笑んだ




「見ず知らずの人が、私に泣いてくれるから…だから分かる。きっと私、このままじゃ本当に死ぬんだって」


「カナさん…」




私の気持ちは完全に傾いていた





“黒陽”が決めたルールに
私はどうして従わなきゃいけないのか


例外もあるんじゃないか



本当は

未来は変えられるんじゃないか




「…私は…」








カナさんに、


賭けた






だって、カナさんの未来が

もし

変われば








私も変えること

出来るかもしれない























そんな淡い、でもどこか自信に満ち溢れた気持ちも



未来への可能性も






すぐ、

消えてしまった