ー黒陽ー


ふわりと 優しい風が吹いた


花畑の花びらが宙に舞い
私の黒髪がなびく



「カナさんのことで、私は大きなミスをしてしまいました…」






あの日




あれは初めての任務


私が“黒陽”に来て1ヶ月ほどたったとき


つまり今から2ヶ月ほど前だ




カナさんの死を見届けるのが、私の初めての仕事だった