私はそのまま“黒陽”を出て先ほど通ってきたばかりの道を歩き家路につく 「はあ…」 ため息ばかりだ 「言っただろう、焦るなと」 私の前方を優雅にスタスタ歩く黒猫 こちらを見向きもしない 「リオさん…やっぱり私、この前の任務が問題だったんじゃないかと」 「まだ引きずってたのか?!」 猫…リオさんは驚いた様子で飛びはね 私を凝視する 金色の瞳をした綺麗な黒猫だ 、と改めて思う 「…引きずりますよ、そりゃあ…」 私は近くにあった生け垣に腰を下ろす なんだか、素直に帰りたくない気分だ