ー黒陽ー


「心を無くすと、願いは叶わなくなるぞ」


「はい…分かっています」



そう





私たちには願いがある


その願いのために
叶えるために、

“黒陽”にいるのだ




しばらく舗装された道を歩くと、私の所属する
“黒陽”の本部

ゲート に着いた


ゲート、とは言いながらも
見た目はギリシャとか、古代の神殿を思わせるような作りで

中にはいると沢山の
天使や悪魔、神が描かれた宗教画がたくさんあって

美術館のように感じる



でもここはゲート


私たちが看取った魂は、一度“黒陽”の本部である、このゲートを通過し、天界へ入る


魂の通る門

だから、ゲート と呼ばれている



石畳を上り本部へ入る


中には
私と同じ黒い制服を来た女の子たちが

友人と戯れたり

読書したり

様々な事をして過ごす




そう、
本当に普通の、学生が過ごすような校内と同じ感じだ


ただ、ここは人間界とは違う世界で
私たちは、ヒトではない。

ただ、それだけの違いだ