「では、リオさん」
制服に着替え、
しゃきっと背筋を伸ばす
「今日もよろしくお願いします!!!」
「髪飾りを忘れているぞ」
「あわわわっ!し、失礼しました!で、ではリオさん、改めまして、今日も…」
「早くいくぞ」
ピシャリと遮られ、軽快な足取りとチリンという心地いい鈴の音と共に部屋を出ていった
「ああっ!」
私も急ぎ、リオさんに続く
リオさんは、猫の姿をしているが、これは本来の姿ではなく、仮の姿
本来はちゃんと人間の姿をしている、らしい
“黒陽”の中ではリオさんはかなり位の高い人物で、それ故に人気もあり
人の姿で歩き回ると
他の“黒陽”の住民がわらわら出てきて、
邪魔で歩けないのが嫌なので
目立たない、且つ動きやすい猫の姿で生活している
ここでは黒猫は多く、そして皆喋るため、沢山いる黒猫の中からリオさんを見付けるのがすーっごくむずかしい
私はこうして
リオさんを見失わないよう後を追っかけるのに必死なのだ

