こっそり建物に近づいた黒ローグは、ひび割れた窓からそろりと中を覗く。

「!」

 奥の方に男らしき2人が見え、その近くにチャラローグがいる気配を感じた。

 他に人がいる感じは無い、これならいけそうだ。

 黒ローグは意を決して立ち上がり、窓をコンコンと軽く叩いた。

「!?」

 1人が気がつき、目を丸くする。

「おいっ! あれっ」

 細身の男が仲間の指さした先に目を向けると、縛ってあるはずの青年の顔が覗いていた。

 驚いて下を見ると、青年はちゃんとそこに転がっている。