再び地下に足を踏み入れ、先ほど散らかしたテーブルに眉をひそめた。

「……まあいいわ。どうせまた散らかるんだもの、終わってから片付ける」

 言いもって道具を再度、揃えていく。

 部屋を支配しているお香と薬草、ハーブの匂いに酔いながら同じ事を繰り返す。アルコールランプに火を灯し、抽出作業に取りかかった。

 そしてここで──

『アラアル・スフィラグ・シャイン・ローグ……』

 と、先ほどとは違う言葉を並べていく。

 デタラメなのだからして、そもそも前にどう唱えたかすら覚えていない。