もちろん、適当である。

「なんか呪文とかあった方がカッコいいよね!」という単純な感覚で唱えただけのデタラメだ。

「ふっふっふっ」

 不適な笑みを浮かべ、これまた適当に手近にあった粉を振りかけた。

「!?」

 粉は七色の火花を散らして輝き、怖くなって思わずしゃがみ込み頭を抱える。

「……怖かった」

 静まると、恐る恐る立ち上がってテーブルに視線を落とした。