さて、今日もおでかけしよう──ネリネは街に行く準備を始めた。

 友達はみんな部活とかやってるから、夏休みなのにあんまり遊べなくてちょっと寂しいけど、仕方ないもの。

「!」

 自転車を押して歩いていると、憧れのお兄さんが向こうから歩いてきた。

 心臓バクバクしながら、それに気付かれないように表情を作る。

「お、おはよう」

「うん、おはよう」

 いつも通りのそっけない挨拶、しかしネリネはそれでもウキウキだ。