「はあ……」

 サラは、溜息混じりに駅前のデパートの中を歩いていた。

 いくら仕方がないとはいえ、好きだった相手を諦めなければならないのだ、落ち込むのも当たり前だろう。

 気晴らしにショッピングでもと来てみたけれど、買い物をする気にはなれそうもない。

 オープンカフェでカフェラテを手に、アンニュイな気分で傾ける。

「!」

 目の前でトレイにコーヒーを乗せた男子が席を探してキョロキョロしているのを見て、しっかりしたローグを思い起こした。