その夜── ネリネの家では、卒業の祝いに母の豪華手料理とケーキがテーブルの上を飾った。 色んなベリーが乗せられたケーキがいち台、真ん中に据えられ楽しい夕食が始まる。 両親はネリネの卒業後をしつこく尋ねてくる事はなかったが、果たしてバイトと家事手伝いを許してくれるのかと少女は言いあぐねていた。 仲の良い友達はみんな就職するって言っていたけれど……。 お祝いの席だからか、2人はネリネの今後を問いかける事はなかった。