1年後──ネリネは無事に卒業を迎えた。

 式は粛々と行われ、ちらりと保護者席に目を向けると半分くらいの親は涙を浮かべて、目頭を押さえてる人もいる。

 卒業して就職する子、大学に上がる子とそれぞれだ。

 仲の良い仲間たちと高校最後の写真を撮って、またいつか会う約束をして帰路に就く。

 パパとママは卒業祝いのお買い物をするんだと2人で百貨店に向かい、あたしは先に家に帰ってきた。

「!」

 家に帰ると門の前にローグが立っていて、その手には小さな小箱──

「ローグ」

「卒業おめでとう」

「ありがとう」

 互いに笑みで応える。