朝──夏休みの彼女は、さっそく惚れ薬のために何か無いかなと店に出かけた。 近くのファンシーショップに行く予定だ。 この世界は我々の世界とは少し違って、暮らしは西洋の中世時代を思わせる。 若干の違いはあるものの、おおむねそのイメージを持ってもらえれば大丈夫だ。 とはいえ、自転車くらいはある。 現代の自転車とはやや異なり、クラシックというかレトロというか──ではある。 ネリネは自転車を押して玄関から出た。