♥♥♥信長の愛しきひと…淡雪のような恋♥♥♥


切られるかと思い
目を固く閉じた菊は

髪に飾られた銀梅草に触れ
恐る恐る信長の方を見た。



「ふむ。よう
におうておるわ」

信長が満足そうに笑った。



菊はこの乱暴で強引な
いずれ戦国時代の代表的武将となるであろう信長を
恐ろしく思いつつも




どうしようもないくらいの
胸の高鳴りを抑えきれずに
見つめた。





「どうかしたか?」





「いえ!なんでも」



信長は菊の手をとり



「では、帰るとしよう」

そう言って
竹林の中を歩き始めた。