ここで
死んでも構わない


あんな人の子供を産む位なら
もう二度と元の世界へ戻れないなら



家臣に引かれるようにして
景虎は
部屋を出て行った。


出て行くときに
すれ違った家臣に


「必ず無事に 
あのおなごを
連れてまいれ」


と命を下した。


「ははぁ!」

家臣は 
うやうやしく

頭を下げると

菊のもとへと
走った。