♥♥♥信長の愛しきひと…淡雪のような恋♥♥♥

馬に股がった信長は

報告をしてきた家臣と
共に

嵐のような勢いで

道を走らせて
山の中へ来ていた。



そこに 

正座して 
ひたすら頭を下げている
百姓らしき男がいた。


「この者か?」


「はい、この者が
山吹色の着物の女子を
何人かの 
商人らしき風貌の男どもが
馬に乗って連れていたと申しております」


山吹色の着物


山吹色の着物は 
わしが菊にあげた着物と同じ色じゃ



馬を 
飛び降りた信長は
百姓に尋ねた。


「お主が見たという時、おなごは
無事であったか?」


百姓は

頭を下げたまま
「いやあ
無事かどうかは……そのう

馬に乗せられてて
気を失ってるか

眠っているか……
そんな感じで」


「気を失っておっただと!」


「ひぃーーーーっ
お許しを!」


「おなごを乗せていた男は
商人風であったのだな?」


「はあ……
でも……」


「でも、なんじゃ!」