目の前に 二本の足が 立ちはだかっていた。 あ みつかったんだ 悔しい思いと 怖い思いで 恐る恐る顔を上げた。 そこには すっごく悲しそうな表情を した景虎が立っていた。 景虎は 少しの間、 黙って由花を見下ろしていたが 次の瞬間、 お姫様だっこをして 由花を 屋敷の中へ連れて行こうとしていた。 「は、離して下さい! 御願いします! 景虎さま」 そう言ったとき ふいに 景虎の足が止まった。