「……」


「震えておる」

景虎の大きな瞳が
由花をとらえていた。


怖い……

わたし
これから
どうなるの?



信長の次は
景虎って


「ここ数日、お主を想い眠れなかったぞ。」

「え?」


「林の中から連れてきたのは良いが
数日目を覚まさぬ
心が休まる時が無かった。
本当に良かった」


「あの」


急にそばに来た景虎に抱き寄せられ
由花は身動きも出来なかった。