織田信長の軍の兵数約2000に対し

今川軍の兵士 約4万5000


到底勝てるはずの無い
戦の幕開けだった。






信長は
懐のお守り袋を握り締めた。




それは


いつか


遠い昔に
出逢って


嘘のように 
幻のように消えていった

愛した人が残した
お守り袋だった。






信長は 
菊がいなくなってから


片時も 
そのお守り袋を
肌から離さなかった。