雪が

ちらほらと

舞い散るように


落ちてきていた・・・





「信長さ・・・ま



想い出してくれて・・・



愛してくれて・・・・


ありが・・・・と・・・う」



そう 告げた菊の
頬に一筋の涙が伝った。






信長の腕の中に
いたはずの菊の姿は


みるみる 
透けていって






ゆっくりと降る雪が


信長の掌の上で
消えてゆくように



菊の姿も


ゆっくりと


雪と共に





消えていった・・・・