「わかっておる・・・


信長様が 
どれだけ 

菊殿を
想うていたかどうかなぞ


それがしも 
知っておる。



だがのう・・・


織田家にとっては
濃姫様との婚儀を控えた今


菊殿の存在を 
明かさぬほうが
良いのではないかと・・・・」


言いにくそうな勝家。


言葉を失って
力も失っていく菊。



そんな菊に
追い討ちをかけるように


「菊殿のことを
忘れた今、

忘れたままでおるほうが
むしろ信長様のためでは
あるまいか?」