「菊ーーーー!」


信長の叫び声が
由花の頭に響いたような感覚を

感じて由花は 
頭を抱えた。


「どうしたの?由花
 大丈夫?」


母が心配げに
由花を抱き寄せる。


「思い出さなくてもいい……
あなたさえ 
元気でここにいてくれたら」


抱きしめる母の瞳に涙が
浮かんだ。