いずれにしても


ここにいては
いいように

この人に利用されるのみ・・・



だとすれば


ここを
一刻も早く出ないと・・・



菊は逃げないように
縄で縛られた足を


なんとか動かそうとした。

だが、
まったく 
外す事もできず


足首に血が滲むばかりであった。




「そのように
逃げようと無駄な事は
やめられよ・・」


そう言って 
近寄ってきた
晴信。



じろじろと
菊を観察した。



「・・・・白い肌に
血が滲んでおる」


晴信は菊の足首の擦り傷を
見つめた。