「まあ・・・よい。
くだらぬ。

わしには
このような小娘には 
興味ない。


わざわざ 
サラって来た意味がなかったのう」


「しかし・・・

晴信様・・・少しお耳を」


家臣が晴信に
耳打ちし


晴信は
それに


ゆっくりと
うなづいた。



「なるほどな・・・・



そうか。


確かに
ものは使いようじゃ・・・


織田に 
恩を売る良い機会じゃ。



そんなに 
ちまなこになって
探しておるとあれば・・・


恩を売るべきか・・・


はたまた 
何かと交換を迫るべきか・・・


それとも・・・・


信長を呼び出す道具として
使うか・・・・



どうするべきかのう・・・」



晴信は
菊を見て
含みを持たせた笑みを
浮かべた。