やがて、瞬きを 数回して 目を覚ました菊。 菊の傍に ずっといた景虎は 「目が覚めたか?」 と 優しい声色で聞いた。 「・・・はい・・・ ここは?」 周りを見回す菊。 景虎は 菊の様子に 例えようもない不審を抱いた。 この様子は? なんとも おかしい・・・ わしを見たら 跳ね起きて 突き飛ばすか 悪態をつくか 逃げようともがくか そう思っていたが・・・ この妙に落ち着いた様子・・・ 妙だ・・・