景虎は 人払いをして 慎重に 丁寧に 菊を カゴから 出すと まだ 気を失ったままの菊を そっと抱きかかえた。 「・・・・よお・・・ また 戻ってきてくれたのう・・・ そなたを こうして 抱きかかえる日を どんなに 夢みた事か」 景虎は そっと 布団に 菊を寝かせた。