信長は 
屋敷の中も外も

家臣にも手伝わせて
くまなく一日中菊を探し回った。



だが、本当に
神隠しにでもあったように


菊の姿はこつぜんと消えてしまったようだった。



「菊ーーーーーっ!


どこへ いったのじゃ!


そなたは・・・
どうして・・・このように

我が胸を痛ませるのじゃ・・」


膝をついて
菊を想い男泣きする信長の心は
不安でいっぱいだった。



「っ爺!」


「は!なんでございましょう?」

信長の傍に仕えていた平手が
ささっと
寄ってくる。