♥♥♥信長の愛しきひと…淡雪のような恋♥♥♥

「……」

何も答えない菊。

そんな菊を
抱きしめて


「すまぬ。無理を言って
お前が思い出したくても
思い出せぬこと……。

誰よりもわしが知っているくせに
ムリを言った」


信長は謝ると
やがて困ったような表情を
浮かべた。


「夜が明けても
暮れても

お前に出逢ってからというもの
お前を想わぬ時はなし

この信長を
ここまで本気にさせるおなごは

菊、
お前の他には 
誰もおらぬ」


そう言って
信長は、つよくつよく
菊を抱きしめるのであった。