信長は言った。

「・・・心にあるのは
いつでも 
そなただけ・・・


だが・・・


我が天命は 
天下統一にあり。


そなたの事は
この信長が

命をかけて 
守ろうぞ!



だが・・・


どうか・・・


許して欲しいのだ・・・


美濃の濃姫を
正室に迎えざるおえぬ事を・・・」

菊は、目の前が真っ暗になるのを
感じていた。




信長の腕を強く振り払った菊。



「菊!」


後ずさりする菊に

信長が 
手を差し出す。


「菊!・・・・頼む
少し・・・少しの間、
耐えてはくれぬか?」


菊は 
ぶんぶんと首を横に振った。