「・・・・すまなかったな・・・
こんな目に合わせて・・・」


信長は腕の力を緩め
胸から離れた菊の顔を
じっと見つめた。


「・・・・わたし・・・信長様のそばに
いたいのに・・・」


「わしとて・・・そなたと同じ想いよ」


信長は愛しそうに


目を細めて菊を
見つめ

菊の顎を
指で持ち上げた。