「そのように 
落ち着かずにいて 
どうするのじゃ!


そのようでは
尾張の国さえも 
統括できぬぞ!」


信長は言葉を失っていた。


「・・・もうすぐ 
美濃の斉藤家と
大事な婚儀ぞ?

道三の機嫌を損ねる行いは
慎むのじゃ・・・


わかるな?」


「それとこれとは・・・

話が違いまする・・・・」


信長は菊の腕を引っ張りあげ
立たせると


「おい!どこへ 
連れて行くのじゃ!」


「・・・・・」

信長は信秀に返事をせずに

廊下を
菊の手をひいて

進んだ。