首を横に振った菊。
「手に血が」
菊は男の右腕が
引っかいたようになって
血が滲んでいる事に
気がついた。
「あーーーたいした事ない。
じきに 治る」
気にする様子の無い男。
「でも」
「よければ手当てを
家のほうで
近くですから」
「手当てとな?
そんなのは、いらん。
その代わりといっては
何だが
少し
腹が空いてな
握り飯でも
あるかのう?」
そう言って
目を真ん丸くする男の顔が
タヌキのようで
愛らしくて
可愛く見えた。
「手に血が」
菊は男の右腕が
引っかいたようになって
血が滲んでいる事に
気がついた。
「あーーーたいした事ない。
じきに 治る」
気にする様子の無い男。
「でも」
「よければ手当てを
家のほうで
近くですから」
「手当てとな?
そんなのは、いらん。
その代わりといっては
何だが
少し
腹が空いてな
握り飯でも
あるかのう?」
そう言って
目を真ん丸くする男の顔が
タヌキのようで
愛らしくて
可愛く見えた。


