「美濃の斎藤道三の娘との
またとない縁組。


これは 
信長様が 
飛躍する為にも
必要な縁組である。


それゆえ
時期をみて

菊殿を 
側室にお迎えするゆえ


今しばらくは
ひっそりと」


「待ってください。
側室?


それは
信長さまが 
言ったことですか?」


平手は 
当たり前のように頷いた。



菊は 
お守り袋を 
床へぽとりと落としていた。



信長様は


結婚する……。