「眠い、クソ眠みぃ~~」
街から街へはそう遠くないはずだった。
しかし、少年には一つミス、いや欠点があったのだ。

方向音痴


この世に生まれてから17年がたつが未だに地図が理解し難い。
小さな街でもちょっと入り組んだ道に入るといつも迷う。

「はぁ、もう夜になるじゃないか
また野宿する羽目になるとは........」
はっきり言って野宿が嫌いな訳じゃない。
街では見えない星々を見る事ができるからだ。


ガサッ

「!」

「んん?あんた人と違う匂いがするなぁ
一体何者なん?」


後ろから来たわけでもないのに気づかない程、気配を殺してきた。
あちらこそただの女には見えない。

「うーん、取り敢えず銃を下ろしてからにしません?」