きみのかけら




ハハッ…



笑っちまうぜ…こんなちぃせぇ子に心配されてちゃまだまだ俺も子供だな…




ポタッ……


飛鳥の目から涙が流れた。



『俺のために泣いてくれてんのか?』




『ゥェッ……ヒック!!……ウッ…』
飛鳥は泣き続けた。


すると

ポタッ…


自分の目からも涙が出ていることに気づく。





『ハハッ…!!俺泣いてんのか?泣いたのなんていつブリだろぉな……』




プツン…
何かが切れたように…

麗は泣き出した。



今までの分の涙を流した。



堪えてきた、耐えてきた…


悲しみを。




『泣く』

と言う感情ができた自分に喜びながら。






麗は泣き続けた。



二人の泣き声は部屋中に響き渡った。








フゥ~……


いつからいたのか分からないが、麗の部屋の外からその声を悠馬は煙草を吸いながら、そっと聴いていた。