三つに別れている廊下の中央にある自販機に着くと、運悪く同時に予備鐘が鳴り響く。
握り締めていた小銭から100円玉と5円玉を二枚抽選していると、
ーー、ーー、
ポケットで携帯が震えた。
いちごオレのボタンに手を伸ばしながら画面を開いて、たった今届いた新着メールを開く。
ーーガコンッ
「.....」
自販機の取り出し口から取ったそれをズボンのポケットに半ば無理矢理に突っ込んで、僕はパタンと携帯を閉じた。
「ごめん晃、俺帰る」
「はっ?帰るっておま、まだホームル「後よろしく」
「っあ、ちょ、圭!」
来た時と何ら変わりない状態でカバンを掴むと、僕はそう言って教室を出た。
「お、おい高木!鐘鳴ったぞ!」
後ろで先生が僕を呼んでいた様な気もするけど。
たった何分か前に通った道を、僕は少し小走りで戻って行った。

