「あ、圭はウェイターでもう決まってるから」
「決まってるんだ」
まぁどうでもいいか、と思った瞬間に小宮に「絶対参加」と釘を打たれて言葉を飲み込む。
「いつも引きこもってるんだから文化祭ぐらい活躍してよね!宜しく」
いつから引きこもりキャラになったんだろうと疑問を浮かべながら、僕は苦笑して席に戻った。
「.....眠い」
貰ったプリントを晃に投げやると、壁に寄りかかるように横向きに椅子に座る。
「お、圭ウェイターかよ!いいなー俺呼び込み」
「ファンが来るからじゃないの」
「あー!俺モテるもんね」
......自粛。
「今年も他校から女の子いっぱい来るかね~俺髪暗くした方がいいと思う?」
「何で?」
「え、だって怖がられそうじゃん、見た目こんなだし」
一様気付いてたのか。
僕は「どっちでもいいんじゃない」と曖昧に返事を返すとポケットに入っていた小銭をジャリ、と手の平で転がした。
「自販機のいちごオレって100円だっけ」
「110円な」
僕はチラッと時計を確認してから、「買ってくる」と小銭を握って席を立った。

