――「春のサクラスイーツはプレゼンテーションで審査する。 サンプルは資料の通り。 形状はマーガレット。 種類はタルトケーキ。 桃色の素材を二つ以上取り込み春を表現する。 期限は一週間。 各自最終選考目指して頑張ってくれ」 企画会議で伊東課長が話すのを聞きながら、千歳をじっと見る。 彼女は俺の方をチラリとも見ない。 ……完全に拗ねているな。 このまま、話さないつもりだろうか。 まあしばらくは放っておくしかないな。 今の彼女は俺の話に耳を貸したりはしないだろう。