ふと彼のデスクの方を見る。
向かいの先輩に何か話しかけられて、彼がニコッと笑う。
………。
私の方には目もくれずに、またパソコンを見る。
……もう…私を好きではないのかな。
軽蔑したのかも知れない。
独占欲が強すぎて逃げ出したくなったのかな。
何がいけなかったのかな。
………。
私は藤崎をじっと見つめたまま固まる。
やっぱり、イイ男だわ。
……黙っていると。顔だけは。
やがてすぐに彼女が出来るだろう。
周りがきっと放っておかない。
言っておくけど、眼鏡を外すように言ったのは私なのよ。
あんたに彼女がすぐ出来たなら、それは私のお陰なんだから。
軽蔑しているかも知れないけど、感謝もしなさいよね。

