ケモノ女が愛するオトコ〜草食男子の扱い方〜



パタン。

彼が倉庫から出ていき一人その場に取り残される。

「………」


私は動けないままそこに立っていた。

ありがとう…ございました、ですって…?

これって。

………私、…フラれてしまったの……?


私の行動や言動が、理解出来なかったという事?
それで、私の理想には合わせられないと?


「………う…そ……」

私は一言呟いて、彼のいなくなったドアを見つめていた。



――フラフラと自分のデスクに戻り、やりかけの書類を見下ろす。

そうよ。
たかが藤崎くらい何よ。

私を好きだと言うから、ちょっとお相手しただけよ。
私が本気な訳がないじゃないの。

あんな男。
軟弱で、いつも怒られてばかりの情けないヤツ。