「じゃあ何で…」
言いかけた彼にさっと飛び付きキスをする。
「んん……?!」
藤崎は訳が分からない、と目で訴えるように私を見る。
「…ちょ……、さわも…!」
グッと舌を彼の口にねじ込む。
「!!!!」
初めは固まり動かなかった彼が、やがてキスに応え始めた。
「……ん…」
私達は薄暗い倉庫の中で先ほどまでと変わらない甘い口づけを交わしていた。
……やがて。
ふっと私の身体を彼の両手がそっと押して引き離した。
「…沢森さん…、何で。
……どうしたんですか」
不思議そうに私を見る彼の大きな瞳。
見つめ合うと吸い込まれそうな感覚になる。
間違いないわ。
桐山は藤崎の魅力に気付いたのよ。
桐山だけじゃない。
他の女達も。
眼鏡がなくなって例え藤崎がかっこよくなっても、これまでの彼に対する社員の反応から大丈夫だと勝手に思っていた。

