ケモノ女が愛するオトコ〜草食男子の扱い方〜



二人はそう言葉を交わした後でフフッと笑い合う。

………マジで。
…ムカつく。

私はガタッと席を立ち、二人の方へと近付いて行った。


「藤崎」

「はい。…あ。沢森さん」

二人揃って顔を上げて私を見る。

ムカムカッ!

「…ちょっといい?
三河南店のクレームの件で」

「あ、はい。
…あ、桐山さん。ここはこのままでいいですから」

再び立ち上がりながらも藤崎は桐山を気にかけている。

「いいですよ。もう少しですから。
どうぞ行って下さい」

彼は桐山にペコリと軽く頭を下げてから私についてきた。



――「あの、何でここに…」

藤崎を連れてやってきたのは、地下の倉庫。

資料や宣伝資材で溢れている。

「あの、クレームの話は」

「ああ。…そんなの、もう処理済みよ」

「……え」