この小学校には吸血鬼の末裔がいる。

そんな噂がこの私立デルファイナス小学校では流れていた。

しかしそれはすべて怪盗ソアレ・ツェペシュがそもそもの元凶だ。

奴は夜はマントを纏った貴族風の服装でコウモリを使役し、

24時間営業の牛丼チェーン店他からさまざまな物品を盗み出す。

あと八重歯。

もちろん、それだけじゃぁなぃんだょ…♡

奴は昼はその正体であるところの学園のカリスマ的アイドル的存在、

天音頌歌として日々を過ごす。

あと八重歯。

アイツがなぜか常に身に着けている木の杭、

それを学園の生徒達が真似し出したんだ。

その事情を知らぬ人々の間で流れた噂だ。

アイツに自分の正体を隠すつもりはない。というより警察も知っている。

しかし西暦2369年に強化された少年法のせいで逮捕どころか補導もできない。

困ったものだ。