私は顔を洗い、家の食堂に向かいました。

「おはようございます」

私はママ、賛歌、お手伝いのみなさん、

……それとパパに朝の挨拶をしました。

……

あ……母、妹、お手伝いの方々、父に、

朝の挨拶をしましたわ。

「頌歌よ。随分と寝坊しているな。

少したるんでいるのではないか?」

「そーだぞ!」

「あら……そうかしら……」

そう言った他愛もない会話。

その会話がテレビの音で遮られました。

『さあさあ!!今週のザンギリキッチンは……

現代に現れた奇跡の天才料理人、釘戸坂ハル!』

なんですか。音量バランスをまったく考えてない。

前のぼそぼそ喋りのニュース番組からの大音量。

『彼は先月始め、東京都府中市に店を開きました!

その料理は修行時代から、まるで奇跡のような美味しさで、

どんな重病人も元気になる、そんな噂もながれて(プツッ

「あー!お姉ちゃん、なにすんだよー!

みていたのにー!」

「そうだ!賛歌が見ていたのに!それと

くだらん怪盗もいい加減やめろ!(ガシッボカッ)」

「く……」

……パパに殴られました。

……いつもの事ではありますが。

ただ……とても、痛いです……

「おい、走句。娘に手を上げるなと、

何度言ったらわかるのだ」

「フン。それはこっちが言いたい。

娘が何度言ってもわからないから、

体で覚えさせるしかないんだ」

「黙れ。見苦しい言い訳はやめろ。

……娘には娘なりの信念があるんだ。

それでなくとも娘に手を上げることは、

いい年した人の父親として許されない」

「はっ。その信念とやらで、犯罪スレスレの

迷惑行為をしてるようじゃ話にならん。

……不愉快だ。私はそろそろ会社に行く」

「ああ。行ってこい」

……賛歌も戸惑っていて、口を挟める状態じゃなかった。

とてつもない緊迫感。さすがに私達姉妹の

両親というだけのことはある。

……なんで二人は結婚したんだろう。

そう思いながら、私達は食事を終え、

ママは朝の素振り2000回、

私と賛歌は学校に向かいました。